亜鉛サプリメントは、髪の健康維持などを目的に手軽に利用できますが、もし他に常用している「薬」がある場合は、飲み合わせに注意が必要です。サプリメントと薬が互いに影響し合い、薬の効果が変わってしまったり、予期せぬ副作用が現れたりする「相互作用」のリスクがあるからです。亜鉛サプリメントと特に注意が必要な薬の組み合わせについて知っておきましょう。まず、一部の「抗生物質」との併用には注意が必要です。テトラサイクリン系抗生物質(ミノサイクリンなど)や、ニューキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシン、レボフロキサシンなど)は、亜鉛と結合してキレートという複合体を形成し、薬と亜鉛の両方の吸収を低下させてしまう可能性があります。これにより、抗生物質の効果が十分に得られなくなる恐れがあります。これらの抗生物質を服用する場合は、亜鉛サプリメントとの服用時間を2~3時間以上空けるなどの工夫が必要です。次に、「骨粗鬆症の治療薬」の一部(ビスホスホネート製剤など)も、亜鉛などのミネラルと同時に摂取すると吸収が悪くなることがあります。こちらも服用時間をずらすなどの対応が必要となる場合があります。「他のミネラルサプリメント」との併用にも注意が必要です。特に「鉄」や「カルシウム」を多く含むサプリメントを亜鉛と同時に摂取すると、互いの吸収を妨げ合う可能性があります。もし複数のミネラルサプリメントを摂取する場合は、成分の配合バランスが考えられた製品を選ぶか、摂取するタイミングをずらすなどの工夫を検討しましょう。また、「利尿薬」の一部(サイアザイド系利尿薬など)は、尿中への亜鉛の排泄を増加させる可能性が指摘されています。これらの薬を長期間服用している方は、亜鉛不足になりやすい可能性があるため、医師に相談の上、亜鉛の摂取量を調整する必要があるかもしれません。これらはあくまで代表的な例であり、他にも相互作用を起こす可能性のある薬は存在します。重要なのは、「現在、何らかの薬を服用している場合は、亜鉛サプリメントを始める前に、必ず医師または薬剤師に相談する」ことです。お薬手帳などを活用し、服用中の薬とサプリメントの情報を正確に伝え、併用しても問題ないか、注意すべき点はないかを確認しましょう。自己判断での併用は絶対に避け、専門家のアドバイスに従うことが、安全なサプリメント利用のために不可欠です。
7月9