産後の抜け毛いつまで続く?30代の悩み

産後の抜け毛いつまで続く?30代の悩み

30代は出産を経験する女性も多い年代です。そして、出産後に多くの女性が直面するのが「産後の抜け毛(分娩後脱毛症)」です。赤ちゃんのお世話で大変な時期に、ごっそりと髪が抜けるのを見て、「このまま薄毛になってしまうのでは?」と不安になる方もいるでしょう。この産後の抜け毛はなぜ起こり、いつまで続くのでしょうか。産後の抜け毛の主な原因は、「ホルモンバランスの急激な変化」です。妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が非常に高いレベルで維持されます。特にエストロゲンには、髪の毛の成長期を長く保つ作用があるため、妊娠中は本来なら休止期に入って抜けるはずの髪の毛が抜けにくくなり、髪が豊かになったように感じることがあります。しかし、出産を終えると、これらの女性ホルモンの分泌量は急激に元のレベルまで低下します。すると、妊娠中に成長期が延長されていた髪が一斉に休止期に入り、産後2~6ヶ月頃を目安に、まとまって抜け落ちてしまうのです。これが産後の抜け毛の正体です。シャンプー時やブラッシング時に、驚くほどの量の髪が抜けるため、非常に心配になるかもしれませんが、多くの場合、これは「一時的な生理現象」であり、病的な脱毛ではありません。抜けているのは、妊娠中に抜けずにいた髪が、通常のヘアサイクルに戻る過程で抜けているだけなのです。では、いつまで続くのでしょうか。個人差はありますが、一般的には「産後半年から1年程度」で抜け毛は徐々に落ち着き、新しい髪が生え始めて元の状態に戻っていくことが多いです。しかし、育児による睡眠不足、疲労、ストレス、あるいは授乳による栄養不足などが重なると、ホルモンバランスの回復や髪の再生が遅れ、抜け毛が長引いたり、薄毛が改善しにくかったりする可能性もあります。産後の抜け毛で過度に心配しすぎる必要はありませんが、少しでも早く回復を促すためには、できるだけ休息をとること、栄養バランスの取れた食事を心がけること(特にタンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンなど)、ストレスを溜めないようにすることが大切です。また、頭皮に優しいシャンプーを使うなど、基本的なヘアケアも続けましょう。もし、1年以上経っても抜け毛が改善しない場合や、円形脱毛など他の症状が見られる場合は、別の原因も考えられるため、皮膚科などの専門医に相談することをお勧めします。