クリニックに通う時間がない、費用を抑えたい、という理由から、自宅で使用できる低出力レーザー(またはLED)の育毛デバイスに関心を持つ方もいるでしょう。ヘルメット型やブラシ型など様々な製品が登場していますが、効果や安全性が気になる所です。自宅用デバイスを選ぶ際に注意したいポイントをいくつかご紹介します。まず、最も重要なのが「安全性と有効性に関する根拠(エビデンス)」です。低出力レーザー治療は比較的新しい分野であり、製品によっては効果や安全性に関する信頼できるデータが乏しいものも存在します。可能であれば、アメリカのFDA(食品医薬品局)の承認・認可(Cleared/Approved)を受けているかどうかが、一つの目安となります。FDAは医療機器の有効性と安全性を厳しく審査しており、その承認は一定の基準を満たしていることを示唆します。ただし、FDA承認が必ずしも全ての人への効果を保証するものではありません。また、日本国内で医療機器として承認されている製品はまだ少ないのが現状で、多くは美容機器や雑貨として販売されています。次に、「照射方式と範囲」を確認しましょう。ヘルメット型は頭部全体を覆うため、広範囲に均一に照射できるメリットがありますが、価格が高価になる傾向があります。ブラシ型やキャップ型は、より手軽で安価な場合がありますが、照射範囲が限られたり、自分で動かして照射する必要があったりします。自分の薄毛の範囲や、ケアにかけられる時間、予算などを考慮して選びましょう。「レーザーの種類や出力、波長」も製品によって異なります。一般的にAGA治療には特定の波長(主に赤色光)の低出力レーザーが用いられます。LEDのみを搭載した製品もあります。出力が低すぎると効果が期待できず、逆に安全基準を超えた高出力のものはリスクも伴います。信頼できるメーカーの製品で、適切な仕様のものを選ぶことが重要です。「使いやすさと継続しやすさ」も大切です。重さ、装着感、使用時間、充電方法などを確認し、自分がストレスなく続けられそうなものを選びましょう。どんなに良い機器でも、使うのが億劫になってしまっては意味がありません。最後に、「価格と保証」です。自宅用デバイスは決して安い買い物ではありません。価格だけでなく、製品保証やサポート体制がしっかりしているかも確認しましょう。
7月14