食事だけで十分な亜鉛を摂取するのが難しい場合や、明確な亜鉛不足が疑われる場合には、「亜鉛サプリメント」の活用も有効な選択肢となります。しかし、サプリメントは手軽な反面、選び方や使い方を誤ると効果がなかったり、過剰摂取のリスクがあったりします。亜鉛サプリを選ぶ際の注意ポイントを押さえておきましょう。まず、「含有量」を確認することが重要です。亜鉛の1日の推奨摂取量は、成人男性で11mg、成人女性で8mg(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020年版)とされています。また、耐容上限量(これ以上摂取すると健康障害のリスクが高まる量)は、成人男性で40~45mg、成人女性で35mgです。サプリメントを選ぶ際は、1粒あたりにどのくらいの亜鉛が含まれているかを確認し、自分の食事からの摂取量も考慮して、過剰摂取にならないように注意しましょう。通常の食事をしていれば、サプリメントでの摂取は1日に10~15mg程度が目安となることが多いですが、製品の表示をよく確認してください。次に、「亜鉛の種類(形態)」にも注目してみましょう。サプリメントに使われる亜鉛には、「グルコン酸亜鉛」「硫酸亜鉛」「酸化亜鉛」「酵母亜鉛」など、様々な形態があります。一般的に、グルコン酸亜鉛は吸収率が良いとされています。酵母亜鉛は、酵母に取り込ませた亜鉛で、吸収が穏やかで胃腸への負担が少ないとも言われます。製品によって特徴が異なるため、自分に合ったものを選びましょう。また、亜鉛の吸収を助ける成分が一緒に配合されているかもチェックポイントです。「ビタミンC」や「クエン酸」などが配合されていると、吸収率アップが期待できます。逆に、亜鉛の吸収を妨げる可能性のある「カルシウム」などが高濃度で配合されている場合は注意が必要です。「添加物」も確認しましょう。サプリメントには、錠剤やカプセルを形成するために、賦形剤や着色料、香料などの添加物が含まれています。できるだけ不要な添加物が少ない、シンプルな処方の製品を選ぶのがおすすめです。「品質と信頼性」も重要です。信頼できるメーカーの製品か、品質管理体制がしっかりしているかなどを確認しましょう。極端に安価な製品や、誇大な効果を謳う製品には注意が必要です。サプリメントはあくまで食事の補助です。
1月30