ブラシで悪化?薄毛と摩擦ダメージ

ブラシで悪化?薄毛と摩擦ダメージ

毎日のブラッシングは、髪のもつれを解き、頭皮の血行を促すなど、適切な方法で行えばメリットがあります。しかし、やり方を間違えたり、ブラシの選択を誤ったりすると、「摩擦」によるダメージが蓄積し、薄毛を悪化させてしまう可能性があることをご存知でしょうか。特に髪が細く弱くなっている薄毛の方にとっては、ブラッシング時の摩擦は無視できない問題です。髪の毛の表面は、「キューティクル」という鱗状の組織で覆われています。キューティクルは、髪内部の水分やタンパク質を守り、外部からの刺激を防ぐバリアの役割を果たしています。しかし、ブラッシング時の摩擦によって、このキューティクルが剥がれたり、傷ついたりすることがあります。キューティクルが傷つくと、髪内部の水分や栄養分が流出しやすくなり、髪は乾燥してパサついたり、ツヤがなくなったりします。さらにダメージが進行すると、髪がもろくなり、切れ毛や枝毛の原因となります。切れ毛が増えれば、当然、髪全体のボリュームは減少し、薄毛がより目立つようになってしまいます。また、無理なブラッシングで髪を強く引っ張ってしまうと、毛根にも負担がかかり、健康な髪まで抜け落ちてしまう(牽引性脱毛)リスクもあります。頭皮への過度な摩擦も問題です。硬いブラシでゴシゴシと頭皮を擦るようなブラッシングは、頭皮を傷つけ、炎症を引き起こす可能性があります。頭皮環境が悪化すれば、健やかな髪の成長は妨げられます。では、摩擦ダメージを最小限に抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。まず、「ブラシ選び」が重要です。前述したように、静電気を起こしにくく、頭皮や髪へのあたりが優しい「天然毛」や「木製」のブラシ、あるいは「クッションブラシ」などを選びましょう。次に、「正しいブラッシング方法」を実践することです。毛先から優しくとかし、無理に引っ張らない。力を入れすぎない。濡れた髪でのブラッシングは極力避ける。これらの基本を守ることが大切です。さらに、ブラッシング前に「洗い流さないトリートメント」などを使用して、髪の滑りを良くしておくのも、摩擦を軽減するのに有効です。ブラッシングは、やり方次第で味方にも敵にもなります。摩擦ダメージのリスクを理解し、髪と頭皮を労わる優しいブラッシングを心がけることが、薄毛対策においても重要なポイントとなるのです。