脂漏性皮膚炎?かゆみとフケ対策

脂漏性皮膚炎?かゆみとフケ対策

頭皮のかゆみとともに、ベタついたフケや赤みが気になる場合、それは「脂漏性皮膚炎」のサインかもしれません。脂漏性皮膚炎は、AGAとは異なる原因で起こる皮膚炎ですが、放置すると抜け毛(脂漏性脱毛症)を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。その原因と対策について解説します。脂漏性皮膚炎は、頭皮の皮脂が過剰に分泌され、それを栄養源とする皮膚の常在菌「マラセチア菌」が異常に増殖することが主な原因と考えられています。マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する菌ですが、皮脂が多い環境や、免疫力の低下などによって増殖しすぎると、その代謝物が頭皮を刺激し、炎症を引き起こすのです。症状としては、頭皮の赤み、しつこいかゆみ、そして黄色っぽく湿った、やや大きめのフケが特徴です。皮脂の分泌が多い、生え際、頭頂部、鼻の周り、耳の後ろなどに症状が出やすい傾向があります。炎症が慢性化すると、毛穴周辺の環境が悪化し、毛根にダメージを与えて抜け毛が増え、薄毛につながることがあります。脂漏性皮膚炎が疑われる場合、まずはセルフケアを見直しましょう。頭皮を清潔に保つことが基本ですが、皮脂を取り除こうとゴシゴシ洗いすぎると、かえって頭皮を刺激し、皮脂分泌を促してしまうことがあります。低刺激性のシャンプーで優しく洗い、すすぎを十分に行うことが大切です。そして、脂漏性皮膚炎のケアとして有効なのが、「抗真菌成分」が配合された薬用シャンプーの使用です。マラセチア菌の増殖を抑える成分(ミコナゾール硝酸塩、ケトコナゾール、ピロクトンオラミンなど)が含まれており、症状の改善が期待できます。ただし、効果には個人差があり、毎日使うのではなく、週に数回程度の使用が推奨される場合もあります。製品の説明書に従いましょう。食生活の改善も重要です。脂肪分や糖分の多い食事は皮脂の分泌を増やす可能性があるため、控えめにし、ビタミンB群(皮脂分泌を調整する)を多く含む食品(レバー、青魚、納豆など)を意識的に摂取しましょう。十分な睡眠やストレス管理も、皮脂バランスを整える上で役立ちます。セルフケアで改善が見られない場合や、症状がひどい場合は、必ず皮膚科を受診してください。医師は、炎症を抑えるためのステロイド外用薬や、抗真菌薬などを処方してくれます。適切な治療とセルフケアで、脂漏性皮膚炎をコントロールし、健やかな頭皮を取り戻しましょう。