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専門家に相談ストレス性薄毛の悩み

専門家に相談ストレス性薄毛の悩み

強いストレスを感じる出来事があった後、急に抜け毛が増えた、あるいは円形脱毛症のような症状が現れた。そんな時は、単なる一時的なものと自己判断せず、早めに専門家、特に「皮膚科医」に相談することが重要です。ストレスが引き金となる脱毛症は、適切な診断と治療が必要な場合があります。皮膚科医は、まず丁寧な問診を行います。いつから、どのようなきっかけで抜け毛や脱毛が始まったのか、ストレスの原因として思い当たること、他に体調の変化はないか、などを詳しく聞き取ります。そして、視診やダーモスコピー(拡大鏡)を用いて、脱毛のパターン(円形か、全体的かなど)、頭皮の状態(炎症の有無など)、毛髪の状態(切れ毛や感嘆符毛の有無など)を詳細に観察します。これにより、ストレスが関与している可能性のある脱毛症(円形脱毛症、休止期脱毛、びまん性脱毛など)なのか、あるいはAGA(男性型脱毛症)など他の原因によるものなのかを鑑別します。もし「円形脱毛症」と診断された場合は、その重症度に応じて、ステロイド外用薬や局所注射、紫外線療法などの治療が行われます。ストレスが誘因となったとしても、治療は皮膚科的なアプローチが中心となります。ストレスによる「休止期脱毛」や「びまん性脱毛」と診断された場合は、多くの場合、原因となったストレスが軽減されれば、時間はかかりますが自然に回復することが期待されます。しかし、回復を早めたり、頭皮環境を整えたりするために、ミノキシジル外用薬(保険適用外)や、血行促進剤、ビタミン剤などが処方されることもあります。また、ストレスそのものへの対処法や、生活習慣の改善に関するアドバイスも重要になります。場合によっては、心療内科や精神科との連携が必要になることもあります。AGAの素因がある人にストレスが加わって薄毛が進行していると考えられる場合は、AGA治療薬(フィナステリドやミノキシジルなど)の使用が検討されます。ストレス性の薄毛は、原因や症状が多岐にわたるため、自己判断は非常に困難です。専門医による正確な診断を受けることで、初めて適切な対策や治療に進むことができます。悩みを一人で抱え込まず、まずは皮膚科医に相談し、原因を特定することから始めましょう。精神的な負担も軽減され、回復への道筋が見えてくるはずです。