フィナステリドの服用を続けていると、定期的な診察で医師に治療の経過を報告する機会があります。その際、「実は先週、2日ほど飲み忘れてしまって…」という事実を、正直に話すべきか、それとも黙っておくべきか、迷った経験はありませんか。「怒られるのではないか」「治療への意欲がないと思われてしまうのではないか」。そんな不安から、つい隠してしまいたくなる気持ちも分かります。しかし、薄毛治療の専門医は、この「飲み忘れ」という事象を、患者さんが思うよりもずっと冷静に、そして客観的に捉えています。結論から言えば、飲み忘れは「必ず正直に報告すべき」です。その理由は、大きく二つあります。第一に、「治療効果を正確に評価するため」です。例えば、6ヶ月後の診察で、医師が期待したほどの効果が見られないと判断したとします。もし、患者さんから飲み忘れの報告がなければ、医師は「この患者さんには、フィナステリドの効果が出にくい体質なのかもしれない。デュタステリドなど、別の薬への変更を検討しようか」と、次の治療ステップを考えるかもしれません。しかし、もし「週に2〜3回、飲み忘れがある」という情報があれば、医師の判断は全く異なります。「効果が出ていないのは、薬のせいではなく、服用が不規則なことが原因だ。まずは、飲み忘れを防ぐ工夫を一緒に考えましょう」と、より的確で、患者さんにとって本当に必要なアドバイスをすることができるのです。正直な報告は、医師が正しい診断を下すための、極めて重要な情報となります。第二に、「信頼関係の構築」のためです。AGA治療は、患者さんと医師が二人三脚で進める長い旅です。その基盤となるのは、お互いの信頼関係です。小さな嘘や隠し事は、この関係にひびを入れかねません。むしろ、「飲み忘れが多くて、なかなか習慣にできないんです」と正直に悩みを打ち明けることで、医師はあなたの状況を理解し、より親身になって、習慣化のための具体的なテクニックなどを一緒に考えてくれるはずです。医師は、あなたの敵ではなく、共にゴールを目指すパートナーです。飲み忘れは、決して恥ずかしいことではありません。それを正直に共有することで、あなたの治療は、より安全で、確実なものになるのです。